平戸の秋の七草「クズ」

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今回は秋の七草で葛花と尾花として歌われている「クズ(葛)」です。

クズはマメ科でつる性の多年草。

花は紫色のぶどうのような房状の花で華やかさがあります。ただ、葉やツルには特に目立つ特徴がないためなかなか気付きにくいかもしれません。それでも、空き地や雑木林、川辺の茂み、裏山の山中などいろいろな場所で、さりげなく茂っています。

成長力が極めて旺盛で、瞬く間に植林木などの樹木にはい登り、樹木の生長に影響を与えたりして迷惑がられる存在でもあります。
花はそれなりに美しいのですが、縦横無尽につるを伸ばすこともあって秋の七草の中では少々風情に欠けるように思われます。

万葉集では、クズを読んだ歌が十八首あるのですが、花を読んだのは山上憶良の「秋の七草」の歌一首のみで,他の歌はクズのたくましい生命力やクズの繊維を用いて衣にして着た情景等を読んだものだそうです。

クズ(葛)はくず粉としての利用がよく知られています。葛の根の部分には良質の澱粉(くず粉)が蓄えられ、葛餅や葛切りなどの食用、葛根湯などの医薬用に利用されます。

2014-09-18 | Posted in 平戸歳時記Comments Closed 

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