野生種とは思えない美しさ「ウチョウラン」
平戸に生育する植物は美しいが故に、貴重であるが故に、人に盗られたりして絶滅の危機にあるものが少なくありません。
このウチョウランもその代表例の一つ。
ラン科の多年草で岩場に生育し、初夏に美しい紅紫色の花を咲かせます。
ウチョウランのなかでも平戸産のものはクロシオチドリと称され、開花期が早く花が大型なのが特徴です。
ちなみにここで紹介した平戸産ウチョウランは5月中旬、多良岳産ウチョウランは6月下旬の撮影で、1月ほど違っていました。
そのため昔から盗掘の対象となっています。もっともそのほとんどが平戸島外から来た人たちによるもので、平戸大橋開通前は地元住民から通報を受けた警察官によって盗掘した人が平戸港のフェリー発着所で検挙されることも少なくありませんでした。
今日、このクロシオチドリ(平戸産ウチョウラン)が生育するのは簡単に人が到達できない険しい崖のところだけになってしまいました。それでも、今後、地域の人たちを中心に大事に護り育てることで、近い将来、この平戸の宝物が身近に愛でるまで増えて欲しいと願っています。
2015-07-17 | Posted in 平戸歳時記 | Comments Closed